正式な和解と利用方法を全解説 貴方は知っていましたか?

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和解とは

和解とは、互いに譲歩して、紛争を解決することです。

和解には、「裁判外の和解」と「裁判上の和解」があります。

いずれも紛争を終結させて、今後争いがないように確定させる効果があります。

違いは、裁判上の和解には、確定判決と同じ効力がある(民事訴訟法第267条第1項)ため、強制執行により内容を実現できることです。

和解のメリット

早い解決

和解は、互いに譲歩して解決したものであり、これ以上争わないことを約束したものなので、紛争が長引かず、早期に解決するメリットがあります。

譲歩するという点においては不満もあるかもしれませんが、白黒決着をつけようとすると、最終的には判決を待たなければなりません。

裁判は、三審制(一般的には、地裁、高裁、最高裁と上訴することができます)なので、最終解決して判決が確定するまでは、何年もかかります。

それならば、譲歩しても、時間や負担を軽減する方が良いと考えることもできます。

何よりも、紛争はストレスの元なので、気持ちが楽になるという人が多いのです。

柔軟な内容

和解では、直接紛争となったことだけではなく、関連することを盛り込み、柔軟な解決が見込めます。

次の例を考えてみましょう。

・Aは、Bに対し、婚約不履行による慰謝料100万円を請求しました。

・Bは、この訴えを全面的に争い、「婚約まで行っていない。交際していたにすぎない」と反論してきました。

判決ともなれば、「婚約が成立していたか、否か」が、大前提として決着されなければなりません。

婚約が成立しており、Bが不当に破棄したときに初めて、慰謝料支払いの義務が生じます。

その次に、やっと、その慰謝料の金額はいくらが妥当かが検討されます。

お互いに将来があるので、あまり長引いたり、証言で言い争いしても、互いにしこりを残すことが多いでしょう。

そこで、「婚約」と評価される事実があったかどうかは未決着だけれど、少なくとも「交際」はしていたのだから、BからAにいくらかのお金を払って、解決する和解が検討されます。

その際、次のような柔軟な和解条項にすることも可能です。

  • 「慰謝料」とすると婚約の不当破棄が前提になる ⇒ 「和解金」あるいは「解決金」とする。
  • 将来のために気がかりなことがある。 ⇒ 互いに本件および和解につき、他に吹聴したり、公表したりしない、とする。
  • お金よりも未練の方が気になる場合がある。 ⇒ 互いに不必要な連絡を取り合わない、などとする。

和解のデメリット

曖昧な解決ではなく、事実を明らかにしたい場合は、「闇から闇に葬る」的な和解は向いていません。

また、気を熟すのを待たずして行われた和解は、「早まったことをしてしまった」という悔恨を残して真の解決になりません。

お金で解決されるのは嫌という場合も、不向きです。

一番あってはならないのは、力の強い者がその力を利用して、強引な和解を納得させることです。

そのような場合は、和解の前提が違ったとして、争うことが可能です。

有名な判例がありますので、次にあげておきます。

交通事故について、示談当時には予測していなかった後遺症が生じたとき、その後遺症分は示談に含まれず、改めて請求できるとされました。

事故当時、早い時期にあまりにも少ない金額で、被害者の弱さを見込んだような和解がなされた事案でした。

最高裁 昭和43年3月15日判決(昭和40(オ)347事件)

しかし、蒸し返しを防ぐための和解なので、安易に和解すると取り返しがつかないことが大半なので注意が必要です。

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