優しさとは ー エレベーターを開けて待つ人は優しいの?

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事例

次の事例を考えてみてください。あなたは、どう思いますか?

Aさんの職場は、7階建てのビルの5階にあります。ビルはオフィスビルで、満室となっており、エレベーターは1台しかありません。

Aさんは、9時の始業に直前に、走ってエレベーターのところに駆けていきました。閉まる寸前だったようでしたが、中にいた6階で働くBさんが、「開」スイッチを押して待っていてくれました。

「ありがとうございます」とお礼を言って、Aさんが「閉」スイッチを押そうとしたところ、3階のCさんが走って来るのが見えました。Cさんとは、ランチを一緒にいったりする仲で、「開」スイッチを押して待ってあげました。

何とか、AもBもギリギリ始業時間に間に合いました。

あなたが、A、B、Cそれぞれの立場だったら、どうしますか?

A、B、Cの行為は、誰から、どう評価されるのでしょうか?

誰が、どんな視点で、みるかによって優しさや評価は異なる

Aさんは、自分がしてもらった親切を、Cさんにしてあげた優しい人でしょうか?

(1) Aさんが駆け込んで来きたとき、待っていたBさんは、Aさんの判断でさらに待たされることになりました。Aさん、Cさんは、ギリギリ間に合ったかもしれないけれど、それよりも上の階のBさんは、ちょっとの差で、遅刻する羽目になったかもしれません。

(2) そもそも、9時から営業にでかけようとエレベーターを待っていた7階や各階の人は、なかなか来ないエレベーターを待たされる羽目になります。

目の前にいる、親しい人にだけ目を向けて、見えない他人への配慮が抜けているのではないでしょうか?

どうすれば良かったのでしょうか?

そんなこと言われても、自分は待ってもらったのに、走ってきたCさんは閉め出すなんてしたら、Bさんから「自分さえ間に合えばいいのね」と思われる?

走ってきたCさんの目の前で、閉めてしまうと、今後一緒にランチにも行きにくくなる?

(1) 遅刻しそうになったのは、自分が悪いのだから、初めからBさんや時間通りにエレベーターを待っている上の階の人たちのことを考え、走り込んだりしない。待ってくれたBさんには、会釈して先に行ってくれるように促す。

(2) Cさんには、手を合わせて、先に行くことを分かってもらう。Bさんには「これ以上、お待たせできないので。後で説明しておきます」と言う。Cさんには、ランチのときにでも説明して、分かってもらう。分からないで怒る人なら、付き合わなくてもいい。

(3) 遅れがちに駆け込むCさんが、悪いのだから、エレベーターを開けて待ってくれないAさん、Bさんを恨む方が間違い。そもそも、3階くらいなら、自分の足で走って上がればいい。

合理的で、仕事のできる人の正解だと思います。

でも、それとも違う考えもあります。

広く考えてみよう

Aさん、Bさん、Cさん、あるいはビルで働く人たちの間だけで考えればいいのでしょうか?

違う視点でも考えてみましょう。

(1) エレベーターで待ったところで、わずか数秒、その程度の時間でギクシャクすることはない。一度に運べる人数は、一緒に乗り降りした方が、エネルギー効率もいい。

(2) コロナ禍で「密」を避ける現状では、時間をかけても、離れて何回にも分けてエレベーターに乗る。

(3) そもそも、健康のために、足が悪くなければ、エレベーターを利用せずに自分の足で上り下りをする。

いろんな考え方があります。

ただ一般的な傾向は、押さえておきましょう。

(1) 人は目の前の見えている人のことを、優先して考えてしまう。

(2) 自分が負い目を感じることをしてもらうと、自分も譲歩してしまう。

こんなときは、騙されやすいので、気をつけてください。

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