正確な事実がまずありき
いかなる悩みも紛争も解決するためには、正確な事実の把握が大前提になります。
客観的な、証拠に基づく、事実を認識して、はじめてよい解決法が考えられるのです。
事実と感情を区別
話の内容が曖昧だったり、よく分からなかったりする人は、事実も感情もごちゃ混ぜになっていることが多いです。
次の区別をはっきりしましょう。
1 事実
2 推測
3 希望
4 感情
事実と自分の感情を区別できない人は、自分がこうあってほしいと願うことを、さも事実であるかのように言いがちです。
例えば、恋人が心変わりしたのが分かっているのに、事実を見ようとせず、「そんなはずはない」「単なる思い過ごし」などと自分をだまし続けて、結局辛い現実を突きつけられるまで、事実から目をそらす人がいます。
事実の衝撃に耐えられそうもなく、事実からめをそらし、何とか心の平穏を保とうとする人もいます。それは責められることではありませんが、目をそらせているうちに、取り返しのつかないことになる場合もあります。
少しずつ、事実をみて、現実をまず受け容れるところから初めて見てはどうでしょうか。
事実には3種類がある
本当の客観的な事実は、神のみぞ知る、と言われたりします。
当事者でも見方が違えば、嘘を言っていなくでも、違って見えるものです。
よく例に出される円錐は、上から見れば円、横から見れば三角形です。
そしてそのどちらも真実なのです。
その二つの見方があってはじめて、私たちはその図形が、実は円錐なのだと知りうるのです。
また、証明できる事実と客観的な事実は異なることがあります。
最終的な白黒をつける裁判においては、証拠と立証責任によって、事実を認定していきます。「立証責任」については、また改めて詳しく説明します。
事実 1 客観的に存在する真実たる事実
2 それぞれの立場から見た事実
3 証拠によって認められる事実
映画や小説では、よく互いの立場からの見方を提示して、真実を推測させるものがあります。
例えば、黒沢明監督の「羅生門」や松本清張の「ガラスの城」など、実におもしろい内容です。
現代は、ITの発達と契約の考えから、証拠が残しやすくなっています。
大切な事実については、証拠となるものを残すようにしていきたいものです。
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